令和2年5月1日付で国土交通省住宅局建築指導課によって「新型コロナウイルス感染症対策のため、暫定的な措置として、建築士法に基づく重要事項説明について、対面ではない、ITを活用した実施が可能となりました」がプレスリリースされました。
この報道発表には「ITを活用した建築士法に基づく重要事項説明暫定運用指針」という題名の別紙が1枚ついてるのみでしたが、今年(令和3年1月18日)に暫定的ではなくなったというものです。
詳しくは下掲のPDFに書かれている通りですが、少し内容を紹介します。
という前に、そもそも IT重説とはなんだ? ということですが、で、その前に重説ってなんだ? ということですが。
ざっくり簡単に書くと、建築士が業務を行なうために作られた建築士法という法律があります。設計契約を交わす前に建築士は建築主に対して重要事項説明しなさいという条文がそのなかに書かれています。これが重説ですね。「建築士法第24条の7(重要事項の説明)」という条文で平成20年11月28日に施行されました。これを行なわないと契約ができないという縛りのあるもので、任意ではなく義務となる法律です。
コロナ禍で対面が難しくなり暫定的にスカイプなどのテレビ電話での実施(このことを「IT重説」と名づけています)が認められていたものが、ついに恒久的にできるようになったということです。
今回発表された実施マニュアルは11ページで具体的なIT重説の方法が記されています。
それによると、Microsoft Teams、Zoom、Skype、Google Meet、LINE、iPhoneのFacetimeでも可能になりました。
ただ、ちょっと面倒なのが、重要事項説明書を事前に送付しておくことが必要とあります。PDFファイルをメールで送信するだけではだめで、書類を送らないといけないようです。これは建築士法に「書面を交付」とあるからだと思います。
と書くと、そもそも対面でなければできないのかと思いますが、法文に書面を交付という言葉ともうひとつ建築士が建築士免許を提示しなければならないという文言があるために対面であることとなっていたのだと思います。
実施マニュアルの6ページめに「双方で表情を確認しつつ行う必要があります」と書かれていますが、IT重説でなく、対面重説だと今のコロナ禍では双方マスクしてるやんと思うけどどうなんだろかと思ったりしますね。
また、資料を読んで「そうやったんか!」と思ったことがありました。
建築士が建築士免許を提示するときは、建築士の個人情報保護の観点から、顔写真、氏名、登録番号がわかればよく、生年月日はシールを貼ってもいいそうです。これ知りませんでした。
上はネットでみつけた免許証の見本です。
下は今回発表されたPDFです。役所の文書はタイトルが長い。
クリックして001382861.pdfにアクセス
トップ画像はフリーイラストです。手抜きしてしまいました。